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岡山君と僕 [2002 日常]

 久しぶり会う知り合いと飯を食う。

 「ナカムラって毒舌だよね。」

 「は?なにそれ?」

 久しぶりに会った岡山(仮名)君ががわけのわからないコトを言い出したので面食らった。
 僕が毒舌のハズが無い。僕はどちらかというと根性無な人間なので、毒舌というか言いたいことをスパッといえる人に憧れこそ抱いても僕本人はまるでダメな人間なのだ。

 「だってナカムラって言うことに遠慮が無いよね。」

 「ナカムラって言いたいことをポンポンいうよね。」

 「ナカムラって相手の痛いこと平気で言うよね。」

 立て続けでこんな事を言われて嫌になった。岡山君はいつも、遠慮なく言いたいことをポンポンと平気で言う人間なのだ。

 「誤解だ。そんなことは無いよ。」

 と僕が言うと

 「いや、ナカムラが無神経なんで自分で気が付いていないだけだ。」

 とまでのたもうた。
 いや、岡山君。これは君の方が無神経なひどい言いようではないか。だけど僕は我慢を知る男なので穏やかに言った。

 「そんなことは無い。僕は毒舌なんかじゃないよ。岡山君が勘違いをしているんだ。」

 だが岡山君はさらにしつこく言った。

 「誤解でも勘違いでもない。ナカムラは僕の知っている友人関係で一番遠慮が無い毒舌な男だ。」

 さすがにここまでいわれては、これ以上岡山君が誤解したまま勝手なことを言うのを放置して置けないと思い彼の勘違いを否定した。

 「君の友人関係といっても、岡山君は友達なんて一人もいないじゃないか。」

 岡山君はやっと自分の勘違いに気づいたのか泣きそうだった。

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